モデムとは?
モデムは信号を変換する装置
モデムとは、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する装置のことです。
インターネットに接続するADSLなどの電話回線はアナログ信号、パソコンで使用するデータはデジタル信号のため、そのままでは通信できません。そこで、モデムによって信号を変換する必要があるのです。つまり、アナログ回線でインターネットと接続するには、必ずモデムが必要です。
他にはケーブルテレビ(CATV)回線用のモデムもあり、こちらは電話回線ではなくケーブルテレビ回線とパソコンを接続する装置となっています。
また、光回線でインターネットを利用する場合、光回線はアナログ信号ではなく光信号なので、ONU(光回線終端装置)を使用します。モデムと同じような役割で、デジタル信号と光信号を相互変換するものです。
モデム利用の変遷
ダイヤルアップの時代から使用されてきたモデム
もともとモデムは電話回線によるダイヤルアップ接続で使用されていました。パソコンと電話回線を使ってインターネットに接続するために欠かせない装置でした。
その後、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:日本語で非対称デジタル加入者線)を利用するためのADSL用のモデムが登場して普及しましたが、ADSLも電話回線を使ってインターネットに接続するので基本的な仕組みはよく似ています。
ADSLモデムは、1つの電話回線を使って、パソコンでインターネットをすることも、電話機で電話をかけることもできます。また、ADSLスプリッターと呼ばれる機器を使って電話回線をモデム用と電話用とで分けて接続する方式もあります。
ADSL から光回線の時代へ
ADSLは、光回線が普及する5~10年くらい前は一般家庭で多く普及していました。その後、光回線急速な普及やモバイル回線の発達により、ADSLの利用者は減少傾向にあります。利用者の減少に加えて、電話ケーブルや機器の老朽化などもあることから、ADSLのサービスは2024年に廃止されることが決まっています。
ルーターとは?
ルーターは複数の機器をネットにつなぐ装置
モデムもONUも基本的にパソコンを1台繋いで利用することができます。しかし、今や複数台のパソコンを持っていることは珍しくなく、多くの人が、ゲーム機やテレビをインターネットに接続したり、 Wi-Fi を使ってスマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をインターネットに繋いで使用しています。
そうした複数の機器をインターネットに接続するのに必要な装置がルーターです。
ルーターは「どのルートを通してデータを転送すべきか」を判断する「ルート選択機能」を持っています。そのため、道(Route)を指示する者という意味で、「ルーター(Router)」と呼ばれます。つまり、複数の機器のデータの流れを整理して、インターネットへの接続が円滑にできるよう交通整理している装置がルーターです。
ルーターは異なるネットワークを接続する装置でもある
LANとWANを繋ぐと、LAN側の複数の端末がインターネットに接続できるようになります。
「Local Area Network」の略で、同じ建物の中などの限定された範囲で接続できるネットワークのことです。 会社で使うネットワークのことを「社内LAN」、家庭内で使うネットワークのことを「家庭内LAN」と呼び、LANにはインターネット回線契約者(ネットワーク管理者)が許可したパソコンやインターネット接続機器しか接続できません。
「Local Area Network」の略で、同じ建物の中などの限定された範囲で接続できるネットワークのことです。 会社で使うネットワークのことを「社内LAN」、家庭内で使うネットワークのことを「家庭内LAN」と呼び、LANにはインターネット回線契約者(ネットワーク管理者)が許可したパソコンやインターネット接続機器しか接続できません。
ルーターはLANポート(LANケーブルの差込口)を複数備えています。「WAN」と書いてある差込口は LAN ケーブルでモデムや ONU と接続します。差込口を間違えるとインターネットにつながらなくなります。
ルーターには有線と無線の2種類がある
ルーターは複数の機器をネットに接続しますが、ルーターと機器の接続は、有線と無線の2種類あります。
有線で接続するには、ルーターと機器をLANケーブルで接続します。複数のデスクトップパソコンをつなぐ場合に使われることが多い方法です。
無線で接続するには Wi-Fi(無線LAN)で接続します。「Wi-Fiルーター」や「無線LANルーター」などいくつか呼び方がありますが、機能は同じです。スマホやタブレットをネット回線につなぐには、無線タイプのルーターが必要です。
ADSLが普及し始めた頃、ルーターと言えば有線による接続で使うタイプしかありませんでした。しかし光回線が当たり前となった現在は、無線による接続、つまり Wi-Fi を使う利用者が増えたため、有線も無線も使える Wi-Fi ルーター(無線LANルーター)が主流となっています。
スマホの通信費を節約するには?
利用しているネット回線の契約が定額制で使い放題のプランであれば、スマートフォンを使うときに、Wi-Fiルーターを経由してネット回線に接続するのがおすすめです。
Wi-Fiルーターを経由して接続すると、スマートフォンのデータ通信容量を消費せずに済みますので、容量が少なく安いプランの契約にすれば、通信費の節約につながります。特に音楽や写真など容量の大きなデータの送受信は、Wi-Fiルーターを使うことで、データ通信容量上限の超過による通信制限を避けることができます。
いろいろなルーター
モデムとルーター一体型もある
このように、モデムとルーターの機能は全く異なるものですが、最近では、モデムやONUとルーターの両方の機能を持つ一体型の製品も登場しています。ルーター機能内蔵のモデムやONUがあれば、複数台の端末を使うためにルーターを用意する必要はなくなります。
次世代インターネット接続環境に対応したルーター
さらに、最近では安定性と速度に優れた「光回線+IPoE」という通信方式が普及してきています。そのため、ルーターを新しく用意するならIPoE対応のルーターを選んでおくことがおすすめです。
「IP over Ethernet」の略で、通信経路にイーサネットを利用してデータを伝送する通信方式です。スマートフォンとは直接関係ありませんが、自宅にWi-Fiおよびインターネット回線を敷設するとき、利用するインターネット接続事業者によっては”次世代インターネット接続環境”としてこの方式が案内されることがあります。
従来のインターネット接続サービスは、FTTH(光ファイバー)などの高速回線を契約する場合、PPP(Point-to-Point Protocol)という通信規約に従う「PPPoE」(PPP over Ethernet)を利用することが一般的でしたが、IPv4というインターネット技術を基礎にしていました。
一方、IPoEは「IPv6」を基礎にしています。同時に利用できるIPアドレスの数はIPv4では約43億(2の32乗)なのに対し、IPv6では約340澗(2の128乗、1澗は1兆の3乗)という途方もない数のIPアドレスを利用できます。
ただし、これまでPPPoE方式の回線を契約していてIPoE方式に切り替える場合は慎重に検討するこ必要があります。
その理由は、IPoE方式に切り替えることで通信速度の向上を期待できますが、必ず向上するとはかぎらないこと。さらに、接続先の対応によっては「IPv4 over IPv6」など、WEBサービスで別途必要なものが発生したり、Wi-Fiルーターなど接続機器にもIPoE対応が求められます。
したがって、回線の契約を変更するときは、ルーターなどの接続機器なども含めて切り替える必要があることを留意しておいて下さい。
猛暑に強いルーター
2020年の夏は静岡県浜松市で国内統計史上最高記録と並ぶ41.1℃を観測するなど、これまでにない猛暑となりました。そんな中でヤマハ製ルーターが高く評価されました。その理由は、ルーターが正常に動作する環境温度の範囲にあります。
現在、国内で流通しているルーターのほとんどは、動作環境温度が「0~40℃」と、40℃超える気温をカバーできていないのに対して、同社製のルーターは一部機種を除いて周囲温度「0~50℃」に対応しています。大手価格比較サイト「価格.com」でルーター(無線・有線)の売れ筋ランキング上位20位に入っている各社のフラッグシップモデルの中でも、40℃を超える周囲温度をカバーできているのはヤマハの製品だけのようです。
気温と利用環境温度とは厳密には異なるとはいえ、各メーカーは今後、仕様の見直しを迫られる可能性もでてきそうです。ちなみに、同社の本社所在地が最高気温を記録した浜松市だったことは偶然でしょうか。
ルーターと関係の深いハブとは?
複数台の端末を繋げる場合に、ハブ(スイッチングハブ)と呼ばれる機器を使えば、ルーターに接続できる端末数を増やすことができます。
ただし、ハブは単にLAN配線を分岐して増やすだけの機器です。いわばコンセントの数が足りないときに使うテーブルタップのようなものです。ルーターのように複数の端末を繋いで同時にインターネットに接続するための機能はありません。そのため、ハブをモデムやONUに直接繋いでも複数の端末で同時にインターネットを利用することはできませんが、ルーターにハブを繋げば、同時にインターネットに接続できる端末の数を増やすことができます。
インターネット接続環境を快適にしませんか?
モデムとルーターの違いはご理解いただけたでしょうか? その違いをあまり意識しないで普段インターネットを利用している人がほとんどだと思いますが、モデムやルーターが環境に合っていないと損をしている可能性もあります。
最近、通信速度が遅いとか、画面上の動作がよくない、通信料金が高くなったなど、気になっていることはありませんか?
ご紹介した猛暑にも対応したヤマハ製のルーターやハブなどのIT関連の製品も取り扱っています。お気軽にお問い合わせ下さい。