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WPA・WPA2・WPA3 は、Wi-Fi(無線LAN)の通信を暗号化して、パスワードを知らない人がつなげないようにする決まり(セキュリティ方式)の名前です。WPA、WPA2、WPA3 の順に新しく、強くなっています。今の主流は WPA2 で、ルーターとパソコンの両方が対応していれば WPA3 を選ぶのがおすすめです。WEP や WPA は古く、今は使わない方式です。「WPA2 パスワード」「WPA キー」は、Wi-Fi につなぐときに入力するパスワード(暗号化キー)のことです。
WPA・WPA2・WPA3 の違い
総務省の「自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル」(令和7年2月版)の整理に沿って、強い順に並べると次のとおりです。
| 方式 | 特徴 | 今の扱い |
|---|---|---|
| WPA3 | 2018年に発表された最新の方式。新しい鍵の交換の仕組みや、管理用の通信の暗号化などで強化され、WPA2 で報告された弱点も解消されている | ルーターとパソコンが対応していれば、これを選ぶ |
| WPA2 | WPA より強い、今の主流の方式。KRACKs という弱点が見つかったが、各メーカーが対策のファームウェアを出しており、最新に更新すれば安全に使える | WPA3 が使えないときに選ぶ(暗号は AES) |
| WPA | WEP の弱点を補った方式だが、一部に弱点がある | 今は推奨されない |
| WEP | 暗号を短時間で解読する方法が知られている | 使わない |
| なし | 通信が暗号化されず、誰でもつなげる | 使わない |
WPA3 で強くなったところ
Microsoft と、Wi-Fi の規格を決める業界団体の Wi-Fi Alliance は、WPA3 を次のように説明しています。
- パスワードを当てずっぽうに試す攻撃に強い……WPA3-Personal(パーソナル)は、パスワードの推測に対する守りが強くなっています。Microsoft は、推奨される複雑さに届かないパスワードでも、より強く守られると説明しています。
- 会社向けの WPA3-Enterprise(エンタープライズ)……認証用のサーバー(RADIUS サーバー)を使う方式で、管理用の通信の保護が必須になっています。さらに強い 192 ビット相当の方式もあります。
- WPA2 の機器もつなげる……ルーターを WPA2 と WPA3 の両方を受け付ける設定にすると、WPA3 に対応していない機器も WPA2 でつなげます。両方を受け付けるルーターには、Windows のパソコンは WPA3-Personal を優先してつなぎます。
Wi-Fi Alliance の認証を受けた機器(Wi-Fi CERTIFIED)では、WPA3 への対応が必須になっています。
TKIP と AES(CCMP)は暗号の種類
ルーターの設定画面では、WPA・WPA2 と並んで TKIP や AES という言葉が出てきます。これはデータを暗号化する方式の名前です。AES を使う方式は CCMP とも表示されます。WPA2 で TKIP と AES を選べる場合は、AES を選びます。TKIP には弱点が見つかっています。
Windows は、WEP や TKIP の Wi-Fi につなぐと警告を表示します。Microsoft は、今後の Windows ではこうした古い暗号の Wi-Fi にはつなげなくすると予告しています。
WPA2 パスワード・WPA キーとは
Wi-Fi につなぐときに入力するパスワードのことです。正式には暗号化キーと呼ばれ、ネットワークキー、セキュリティキー、パスワードなど、機器によって呼び方が違います。スマートフォンでは、単にパスワードと表示されることが多くなっています。WPA2 の Wi-Fi なら WPA2 パスワード、WPA キーと呼ばれることもありますが、中身は同じです。
- 家庭用のルーターでは、最初から1台ごとに違うパスワードが設定されていて、本体のラベルなどに書かれていることが多いです。
- ルーターの設定画面に入るための管理用パスワードとは別のものです。
- パーソナル(PSK)の方式では、その Wi-Fi につなぐ全員が同じパスワードを使います。エンタープライズの方式では、一人ずつの ID とパスワードや、電子証明書でつなぎます。
Windows 11 で Wi-Fi のパスワードを入れる・確かめる
- タスクバーのネットワークのアイコンを選び、クイック設定を開きます。
- Wi-Fi の「Wi-Fi 接続の管理」(右向きの矢印)を選びます。
- つなぎたいネットワークを選び、「接続」を選びます。
- ネットワークのパスワードを入力し、「次へ」を選びます。
今つながっている Wi-Fi のパスワードを確かめるときは、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロパティ」を開き、「Wi-Fi ネットワーク パスワード」の横の「表示」を選びます。
今つながっている Wi-Fi の方式を確かめる
Windows 11 では、「設定」→「ネットワークとインターネット」で、つながっている Wi-Fi の「プロパティ」を開きます。「セキュリティの種類」の欄に、WPA2-パーソナル、WPA3-パーソナルのように表示されます。

パソコンが WPA3 に対応しているかは、コマンド プロンプトで「netsh wlan show drivers」と入力すると分かります。「インフラストラクチャ モードでサポートされている認証と暗号」に WPA3 Personal が含まれていれば対応しています。
Wi-Fi に「セキュリティで保護されていない」と表示されたときは、WEP や TKIP などの古い方式でつながっています。信頼できる別の Wi-Fi に切り替えるか、ルーターの設定を WPA3 などに変えます。古いルーターで新しい方式に対応していないときは、ルーターの買い替えを考えます。
どの方式を選べばいいか
- ルーターとつなぐ機器の両方が WPA3 に対応していれば、WPA3(パーソナルなら WPA3-Personal)にします。
- 対応していない機器があるなら、WPA2(暗号は AES)にします。WPA2 と WPA3 の両方を受け付ける設定も使えます。
- WEP、WPA、TKIP は選びません。
ルーターによっては、古いゲーム機などのために、古い暗号の SSID(ネットワーク名)が別に用意されていることがあります。使っていなければ止め、使っているなら設定を見直します。
会社で使うときに気をつけること
- パスワードを社外の人や私物の機器に教えない……パーソナル(PSK)の方式では全員が同じパスワードなので、一度知られると、退職した人や来客の機器からでもつなげてしまいます。パスワードを変えると、つないでいる全部の機器で入れ直しになります。
- ルーターのファームウェアとサポート期限……WPA2 の弱点への対策も、ファームウェアの更新で届きます。サポートが終わったルーターには対策が届かないので、買い替えを考えます。
- 会社の Wi-Fi の方式は、まとめて決める……WPA3 への切り替えや、エンタープライズ方式にするか、来客用の Wi-Fi をどう分けるかは、会社全体で決めることです。決め方は、会社サイトの記事オフィスの Wi-Fi のセキュリティの決め方にまとめています。
